現在においても販促宣伝で一定数のシェアを確保し続けているのがクーポン販促です。
WEBクーポンはもちろん、雑誌、ミニコミ誌、フリーペーパー、折り込みチラシなどの紙宣伝媒体にも特別割引クーポンなどがついているのは、ごく一般的に見受けられます。
私自身もクーポンの作成などは日常業務としてして携わっています。
ここで問題としたいのは、売り上げがいまいちで集客できていないローカル店舗が割引クーポンサイトを利用して、成功できるかです。典型的ではありますが、飲食店のディナーセット半額や飲食代3割OFFクーポンなどを考えてみてください。
先に唯一の例外を言っておきます。
もしあなたのビジネスが一度利用したら大満足の素晴らしいサービスで、集客できていないのはただただ知名度が低い、認知されてないからだとしたら、割引クーポンでお店を知ってもらうことで成功するかもしれません。
ただそのような場合は、宣伝してサービスを知ってもらえればいいだけなので通常の広告で周知させればよく、なにもクーポン販促を選択する必然性はありません。また現在のようなネット情報化社会において、ほんとに誰もが良いと思うサービスが、広告されていないために埋もれて、集客できないなんて状況はまず考えられません。本当に安くておいしい料理店がお客が来ないために閉店することなどは有り得ないのです。
クーポン集客が成功しない理由はクーポンの弱点の2点です。
1 クーポンは主に割引目当てのお客さんが使う。
クーポンで販促を考えている店舗の目的は、クーポンをきっかけにして来店してもらい店を知ってもらうことで今後も利用(常連化)して欲しい!ということだ と思います。
しかし、実際にクーポンを使う人、特にクーポン専門サイトでわざわざクーポンを見つけて使う人のほとんどは、定価ではなくお得に利用できる施設を探している人です。つまり割引サービ スがあるから行こうという客層になります。その中のどれ程がリピート客として利用してくれのか、0人とは言えないにしろ期待できる状況とは言い難いでしょ う。
以前に半額や2割オフのうま味を経験したお客さんに次に定価で利用してもらうにはかなりハードルがあるのではないでしょうか。
2 通常料金で利用していたお客さんもクーポンを使ってしまう。
もう一点、こちらはお店の経営にはボディブロー的にダメージになると思いますが、そのお店のサービスを既に知っていて気に入って定価でリピートしていたお客さんもクーポンを知るとそれを使うということです。
これまで定価で利用していたことが馬鹿らしくなり、今後は割引の時だけ利用しようなんてことにもなりかねません。
クーポンは回収数によって返りがわかる販促になりますが、クーポン利用者が多くても、そのほとんどが常連(もともとのお客さん)だったら意味はないというか逆効果なのです。
クーポンのデメリットを分かったうえで、上手にクーポン販促を使う方法。
以上のように、単に割引をウリにしたクーポンでは、お店の安定的経営に向けた集客に効果は無いと言えるでしょう。
クーポンに弱点があることがわかった上で、逆に弱点を克服する使い方をすれば、うまい販促効果を上げられる余地があります。
●クーポンの利用条件を考える。
クーポンの利用に条件をつける。例えば、新規会員の獲得が条件だったら「ご新規様限定」など、クーポン利用の販促対象者を絞る利用条件を考えてみます。
●料金割引は、追加サービス付加サービスの割引にする。
クーポンの内容を基本料金の割引にするのではなく、追加サービスの割引形式にする。
入館料など既に一定のサービス料を支払ってくれているお客様に対して付加サービスを割り引く形式にします。そうすることで、お客さんもお得感を味わうことが出来、お店側も客単価アップの利点を得ることができます。
今ただに使っている店舗があるのかどうかわかりませんが、とにかく大きな割引額をウリに集客するクーポン手法が成功しないことはすでに明らかになっています。安易にクーポン販促業者に掲載を依頼するのは慎重になった方がよいでしょう。
そして、効果的かつ長期的に販促効果を高めるのは、やはり来店したいただいたお客様の満足度のアップに努めること、日々の清掃や接客教育などを含む地道な努力であることを肝に銘じて置くべきでしょう。
コメント